バイエルン・ミュンヘンやボルシアMGで活躍し、元ドイツ代表の肩書も持つシュテファン・エッフェンベルク氏が、W杯ロシア大会に臨む同代表候補メンバー27人から漏れ、代表引退を表明すると同時にレーウ監督へ恨み節を漏らしたサンドロ・ワーグナーに理解を示した。

 エッフェンベルク氏は「t-online.de」に寄稿するコラムの中で、「ワーグナーはすでに30歳。そしてドイツ代表の監督、コーチ、スタッフはこの先も変わらない。彼自身も、彼の人間性を変えることはできないだろう。ワーグナーは率直で、正直で、直接的な性格の持ち主」と、客観的に記す一方、「どんなチームからも必要とされるタイプの選手だ。それに加えて、彼は自信にあふれている。私の見解では、ワーグナーを連れていかない手はないと思う」とコメントした。

 1996年の欧州選手権優勝など、クラブのみならずドイツ代表でも輝かしい成績を残したマティアス・ザマー氏も、この考えに同調する。専門誌「スポーツビルト」が伝えたところによると、同氏はワーグナーがメンバーから漏れたことに「驚いた」と話し、「私はワーグナーのようなタイプが好きなんだ。彼は“意見”を持った選手だし、自己を完璧に犠牲にしてチームのために戦うことができるからだ。もちろんワーグナーにとってはポジティブな意味で、対戦相手の“嫌われ者”なんだ」と、同選手が選外となったことに疑問を呈したという。

 さらにザマー氏は、前回大会決勝で勝ち越し弾を決め、ドイツを優勝に導いたマリオ・ゲッツェがメンバー外となったことにも言及。「厳しい判断だが、筋の通った決定でもある。レーウ監督は重い気分で、この決断を下しただろう。病気を患い、難しい時間を過ごしたマリオは、その中で戦う気持ちを育みピッチへ戻ってきた。しかし彼はまだ、完全に信頼できるようなコンディションまで戻っていなかった」と見解を語っている。

 そして「公の場で何かを発言することなどせず、まずは(世間から離れて)心身を回復してほしい。そしてオフシーズンを終えた後、良い状態で準備期間に入れるように、うまく時間を使ってほしい。この半年間マリオには『マリオ、君ならできる!』『マリオ、まだできる!』というような状況しかなかったはずだから」と、助言も忘れなかった。