あっけない幕切れだった。アイスランド関係者以外は、準々決勝でのイングランド-フランス戦を思い描いていたはず。イングランドは伏兵を相手に何度も好機をつぶし、1-2で逃げ切られた。選手たちは青ざめた表情でピッチに座り込み、試合後の会見でホジソン監督は辞任を表明した。

 失点は、油断していたと非難されてもおかしくない。前半4分にルーニーのPKで先制。2分後に献上した同点ゴールは、ゴール前でDFウォーカーが簡単に振り切られたもの。同18分の失点も相手のパス回しを棒立ちで見るだけで、奪いにいく姿勢がなかった。

 GKハートは「若い選手たちがこの試合から学んで、イングランドをもといた場所に連れ戻してほしい」と話し、相手より約2歳若い平均25・9歳のイレブンの今後に期待した。

 だが手厳しいことで知られる母国メディアは甘くはない。ガーディアン紙(電子版)は英国のEU離脱とかけて、アイスランドのテレビ解説者が「イングランドは欧州から出ていっていいよ」と叫んだと報道。元イングランド代表のリネカー氏も自身のツイッターに「史上最悪の負けだ。プロ選手より火山の方が多い国に負けた」と嘆いた。