セリエA最終節の28日、ローマージェノア戦の後にローマFWトッティの退団セレモニーが行われ、その様子を29日の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトが報じた。

 トッティは妻のイラリーや子供たちと抱き合って涙を見せた。その後「ずっと来なければいいと思っていた今この時が残念ながら来てしまった。25年という年月は忘れることができない。その間、いい時も悪い時も君たちファンは常に私のそばにいてくれた」と話し、事前に書いた手紙を読み上げた。

 「私のキャリアが語り継がれるおとぎ話になればいいと思う。今、本当に終わってしまった。明かりを消すのは簡単なことではない。いつかは(人間は)大きくなるものだ。時間が憎らしい。最後にユニホームを脱ぐが、まだもういいと言う準備はできていないし、もしかすると永遠に準備できないのかもしれない。ここのところ自分の考えをはっきりしなかったことを許してもらいたい。今、私は怖い。ゴールを前にしてPKを蹴らなければならない時の怖さではない。今回はゴールネットの穴の向こう側に『その後、何かあるか』が見えないのだ。今回は私にとって君たちが必要だ。君たちの温かさが。私のハートは君たちとともにある。ローマに私の人生をささげたことを誇りに思っているし、幸せだ。君たちを愛している」

 そして、ローマ下部組織で2006年生まれカテゴリーの11歳キャプテン、マッティア・アルマビーバにキャプテンマークをつけ、そのほおにキスをした。 

 トッティはこの試合でベンチスタートし、後半9分にサラーと交代でピッチに入った。ジェコは1ゴールを決め、29得点で今季の得点王となった。ローマサポーターはスパレッティ監督がトッティをベンチスタートさせたことも含め、これまでのトッティに対する取り扱いを許さず、試合前と試合中に同監督が大スクリーンに映るたびに大ブーイングを浴びせかけていた。