日本の企業などによる欧州クラブの買収は、過去にフランスのグルノーブル(当時2部)や日本代表FW本田が実質オーナーのSVホルン(オーストリア3部)があるが、1部クラブは例がない。DMMグループはクラブや地域の伝統を大事にし、当面は現在の選手やスタッフを残す意向。徐々に日本人の割合を増やすとみられる。ベルギーリーグは原則、外国人枠に制限がない。将来的に“日本選抜”のような構成で戦う姿が見られるかもしれない。

 早ければ17-18年シーズンから、W杯ロシア大会への滑り込みを目指す若手や、自国開催で金メダルを狙う東京五輪世代を加入させる可能性がある。ベルギーは、スペインなどの5大リーグに次ぐレベル。多くの有力選手を輩出するなど、選手の育成力には定評があり「欧州のショールーム」と呼ばれる。シントトロイデン経由で日本人がビッグクラブに移籍するモデルケース化も視野に、日本を強くすることを念頭に置いたDMMグループの経営参画の動きが加速しそうだ。

 ◆DMMグループ 実業家の亀山敬司氏(56)が99年、石川県加賀市にデジタルメディアマートを設立。通販や動画配信を手掛けるDMM.comがグループの主力会社。証券業や英会話など多角的な事業を展開し、16年にはアフリカにも進出。本社は東京都港区六本木。公式サイトによると17年2月のグループ業績は1969億円(見込み)。