<イタリア杯:カターニア4-3バレーゼ>◇3回戦◇27日

 【カターニア(イタリア)=猪野真美子通信員】カターニアFW森本貴幸(22)が今季公式戦に初先発し、初ゴールを決めた。27日のイタリア杯3回戦バレーゼ(2部)戦で、2-1とリードした後半12分に右CKのボールを頭でシュート。これは決まらなかったが、自ら詰めて右足で押し込んだ。カターニアでは2月27日バリ戦以来8カ月ぶりのゴールで、ようやく「トンネル」を脱した。

 ザックジャパンで新エースの期待がかかる森本だが、今季リーグ戦8試合で、出場はわずか1試合、5分だけ。厳しい状況にも腐ることなく「とにかくいい練習、毎日充実した練習をしたい」。そんな森本に追い風が吹いた。エースFWロペスが24日のジェノア戦で警告を受け、31日のフィオレンティナ戦は出場停止となった。しかも今季1得点と不振のロペスは「前線に孤立し、ゴールできない」と戦術批判。ジャンパオロ監督が「チームは1人のものではない」とやり返し、ロモナコGMは「我々には、大きな期待を寄せる森本もいる」と発言した。

 バレーゼ戦の後半途中に左足内転筋あたりに違和感を覚えたが、それでも延長戦までの120分にフル出場し、4-3の勝利。チームは4回戦でブレシャと対戦する。ロペスの問題発言でかん口令を敷くチームにあってコメントはしなかったが、待望のゴールでうっせきした気分を一掃した。28日付の地元各紙は6~6・5点の高評価。今後へ確かな1歩を踏み出した。

 [2010年10月29日8時34分

 紙面から]ソーシャルブックマーク