来季からフランス1部に昇格するディジョン移籍が決定的となった日本代表MF松井大輔(30=来季同3部グルノーブル)が29日、フランスに向けて羽田空港から出発した。移籍交渉の合意に備える松井は「フランス1部で初心に戻って頑張りたい」と心境を明かした。22日には女優加藤ローサ(26)との婚姻届を提出している。12月には出産を控え「家族のために、街の下見もしてきます」と、早くもパパとして家族愛に満ちた表情だった。

 MF松井のディジョン移籍が最終段階に入った。クラブ間合意が間近に迫ったため。言葉の端々から、ディジョン移籍が決定的となったことへの喜びがにじみ出ている。

 松井

 向こうに着いたらメディカルチェックを受けて、早くサインをしたい。

 松井はフランス1部を希望してきたが、これまでは、フランス2部やロシアなどで戦ってきた。そうした葛藤からも解き放たれた。「フランスの1部でもう1度初心に戻って頑張りたい」。

 私生活が幸せに満ちているから、サッカー人生も好転してきた。22日に婚姻届を出した妻・加藤ローサの存在に関し、笑顔で口を開いた。

 松井

 今までとは違い、安定した状況でプレーができるのが強みになると思う。12月には子どもも生まれるので、子どものためにもお父さん頑張っているよという気持ちを見せたい。

 今回は妻は同行せず、単身で向かったが、家族のことを思い、大黒柱としての顔をのぞかせた。

 松井

 今度住むことになる町には行ったことがないので楽しみ。リヨンとかよりは田舎ではないと思う。グルノーブルと似ているんじゃないかな。いずれにしても家族で生活することになるので、しっかり下見をしてきたい。まだ男か女か分からないけど、自分がサッカー選手である姿を見せられるまでは現役を続けたい。

 結婚後、周囲からの祝福も届いた。W杯南アフリカ大会でPKを外した際、隣でなぐさめた親友DF駒野(磐田)からも連絡が届いた。「おめでとうと言ってくれたけど、松井が親になるとは思えない」と愛情たっぷりの言葉が掛けられ、そのエピソードを話す松井の顔も自然とほころんだ。

 ディジョンのカルテロン監督からの期待も間接的に伝えられている。

 松井

 まずはチームは昇格組ということで残留を目標に貢献したい。移籍を機に代表復帰も頑張っていければいい。

 充実のシーズンを予感させる、晴れ晴れとした松井の旅立ちとなった。【鎌田直秀】