<欧州CL:シャルケ0-3チェルシー>◇1次リーグE組◇22日◇ゲルゼンキルヘン

 日本代表DF内田篤人(25)が所属するシャルケ(ドイツ)は、ホームでチェルシー(イングランド)に完敗した。2勝1敗でE組2位に転落。フル出場した内田は、今季好調のチェルシーMFシュルレを完封するなど奮闘。ドイツ紙でチーム最高評価を得た。

 ホームで完敗でも、内田は手応えを感じていた。ドイツ代表MFシュルレとのマッチアップ。右サイドを破られることはなかった。ベルギー代表の新鋭アザールとの1対1も勝った。ドイツで注目される個と個の勝負。「サッカーは個人プレーじゃないから。チームプレーだから」と振り返ったが、存在感を示した。

 試合後、シュルレに歩み寄り、言葉を交わした。

 内田

 チェルシーいい?

 シュルレ

 いいよ。

 内田

 モウリーニョいい?

 シュルレ

 いいよ。

 プレミアとドイツ代表でメキメキ力をつけている新鋭との短い会話。日本人最多を更新する欧州CL21試合目を戦ってきた実績は、大会常連としての風格さえ漂わせた。

 試合は、チームとしてモウリーニョ監督の術中にはまった。前半5分にCKから失点。前がかりに攻め続けた後半にはカウンターから2失点。前半の失点後、内田は右サイドの高い位置を取り、同26分にはスルーパスに抜け出しシュートも放ったが、ゴールバーの上。「1点取って引いてカウンターなんて誰でも分かるけど、(チェルシーは)それをアウェーで表現できるのがすごい。今日は本当にいいパスが来てたから、オレが何とかしなきゃいけなかった」と振り返った。

 試合後、完敗したにもかかわらず、1人遅れて観客席にあいさつに行くと、地元ファンから大歓声で迎えられた。失望でなく、26日に控えるドルトムントとの「ルール・ダービー」への激励が込められた。一夜明けたドイツ紙の評価で、内田はチーム最高タイの「3」(1が最高、6が最低)との評価を得た。2位で1次リーグを折り返し「まあやっと半分だし、やるからには負けたくないし。これからでしょ」と、内田らしく冷静に反攻を誓った。(鈴木智貴通信員)