<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌山の手81-78盛岡白百合学園>◇女子1回戦◇23日◇広島グリーンアリーナ

 女子で3連覇を目指す札幌山の手(北海道)は接戦で盛岡白百合学園(岩手)を下し、初戦突破した。最後は3点差まで追い上げられたが、昨年のVメンバーで16得点の宮北琴子(3年)らがけん引し、辛くも逃げ切った。今日24日の2回戦は、今秋の国体で優勝した岐阜女(岐阜)と対戦する。

 わずか3点のリードしかなかった。掲示板の表示は残り0秒。盛岡白百合学園の若松芳(3年)の左45度から放った最後の3ポイントシュートが、リングの外側をかすめてコートに落ちた瞬間、ようやく勝利をつかんだ。「全然ダメ。試合になっていませんでした」と上島正光コーチ(69)が、辛勝に顔をゆがめた。

 アクシデントが訪れたのは60-38で迎えた第3Qの4分30秒だった。1年時から連覇のコートに立ち続けた新堀京花主将(3年)が5つ目のファウルを犯して退場した。「少し退場が早すぎて、ベンチでドキドキした」と新堀。突如、大黒柱を失い、登録の15人中8人が1年生という若いチームが大きく動揺、点差がみるみるうちに詰まった。

 窮地を救ったのは連覇を支えてきた3年生だった。宮北がチーム最多の16点をたたき出し、壊れそうなチームを寸前で押しとどめた。「(新堀の退場で)自分から積極的に行って、他の選手を鼓舞しないといけないと思いました」と宮北。残り14秒で3点差にまで迫られても落ち着いてボールをキープ。最後の相手の3ポイントシュートも、焦って打たざるを得ないようにコントロールした。女王のプライドで、初戦突破を決めた。

 次戦は国体優勝の岐阜女と対戦する。この日20得点を挙げたディヤイ・アイダ(3年)、185センチの長身を誇るロー・ヤシン(2年)という2人のセネガル人留学生を抑えなければ、勝機は見いだせない。道予選でベンチ入りしなかった181センチの大高彩都子(1年)が、この日は出場8分で4得点と結果を出した。退場の新堀主将も戻ってくる。申し訳なさそうに肩をすくめる新堀に「次は頼むよ!」と笑顔の宮北。3度目の頂点に向け、チーム一丸となる。