<高校総体:競泳>◇17日◇男女個人◇新潟・長岡市ダイエープロビスフェニックスプール

 男子400メートル自由形で小松巧(静岡・飛龍3年)が県高校新記録の3分51秒32で銀メダルを獲得した。ロンドン五輪銅メダリストの萩野公介(栃木・作新学院3年)との勝負で、200メートルまでは先頭に立ったが後半に逆転を許した。

 隣にはロンドン五輪400メートル個人メドレー銅メダリストの萩野がいた。今大会は個人メドレーを泳がず、ほかに200メートル背泳ぎに出場する。会場の視線を一身に集める「時の人」に小松が挑んだ。「向こうはメダリストで個人メドレーでもフリーが強い。チャレンジャーの気持ちで前半から積極的に行こう」。50メートルのターンは萩野に0秒22遅れの2位だったが、そこからスピードを上げる。萩野をかわし100メートル、150メートル、200メートルとトップでターン。ところが…。「250メートルから向こうにスイッチが入った。自分ももう1度ギアを入れようとしたけど相手がすごくて。自分はまだまだ甘かった…」。大会新記録の萩野に2秒71遅れの2着。握手した手を「洗いたくないですね」と笑い「正直悔しいですが、今の出せる力は出した。90点です」とすがすがしかった。

 中学時代は200メートル自由形で全国6位が最高。「インターハイに出られたらいいな」と夢を抱いた少年が3年になり初の決勝に臨んだ。「夏からターンの回転の速さ、浮き上がる速さに磨きをかけた」。7月末の東海総体で記録した3分52秒57を1秒25更新。総体の銀メダルを手にした。五輪メダリストと競うことで、成長する自分に気付いた。「メダルは重いですね。今後は250メートルからのギアの入れ方が課題。幸せないい経験になりました。4年後のリオデジャネイロ五輪に出てみたいな。今の日本は自由形が低迷している。僕が背負うようになれれば」。今日18日には200メートル自由形に出場する。「200はてっぺんを狙う。喜んでくれる人に笑顔になってもらいたい」と誓った。【岩田千代巳】