<NBAファイナル:レーカーズ99-86マジック>◇14日(日本時間15日)◇第5戦◇フロリダ州オーランド

 レーカーズがNBAファイナル第5戦で、マジックを99-86と下し、4勝1敗で7季ぶり15度目の優勝を決めた。この日も30得点を挙げたエースのコービー・ブライアント(30)は4度目の優勝で、初のファイナルMVPを獲得した。第2Q序盤まではリードを許したが、16連続得点などで逆転し、突き放した。フィル・ジャクソン監督(63)はブルズ時代も含め10回目の優勝で、9回で並んでいた故レッド・アワーバック氏(セルティック)を抜き、単独トップに立った。

 36-40とリードを許した第2Q残り5分52秒からレーカーズの反撃が始まった。ゴール下でパスを受けたブライアントは自分に2人目のマークが動くのを確認してパス。フリーのフィッシャーが3点シュートを決めた。ここから16連続得点。ブライアントは自らの2得点に加え、3本の3点シュートをアシストした。

 かつて「自己中心的」と批判された姿はなかった。ブライアントは仲間を信頼し、得点機には確実にパスを出した。第1Q途中には古傷の右手小指を痛め、苦痛に顔をしかめたが「痛みを感じたいんだ」と治療を拒否。闘争心をむき出しで出場を強行し、エースの責任を果たした。

 04年のオフに2本柱の一角だったオニール(現サンズ)がチームを離れ、チームは低迷。4季ぶりにファイナルに進出した昨季も敗れた。ブライアントのリーダーとしての資質に疑問符がつく中、ようやく頂点に立った。「一丸となってぶつかれた。兄弟のような仲間と優勝できて夢のようだ」と話し、真のリーダーへの成長を証明した。オニールからもネットサイトで「おめでとう。君は王者にふさわしい。すごいプレーだった」と祝福された。

 ファイナル制覇に集中したブライアントは、プレーオフ期間中は一切笑顔を見せなかった。ナタリアちゃん(6)ジアナちゃん(3)の2人の娘からは「白雪姫」の7人の小人の「グランビー(おこりんぼ)」というあだ名をつけられるほどだった。試合後、こわごわと近づいた2人を抱き上げると、父親の顔に戻って3人で笑った。