女子走り幅跳びで日本記録(6メートル97)保持者の秦澄美鈴(27=住友電工)が、6メートル39(向かい風0・1メートル)で優勝した。

今年3月から所属する住友電工のユニホームで参戦。優勝記録をマークした2本目以降6メートル30台が並び「いい記録ではなかったのでちょっと悔しいなっていう気持ちはあります」と悔しさをにじませながらも、一方で「今回の試合に関しては、自分の中で技術的にやりたいことがあった」と狙いは果たせていた。

悩みは、踏みきり。持ち味の部分で「すかって抜けるみたいな」感覚が続いていた。そこで、3月の世界室内選手権以降は基礎からたたき直し「静止した状態で、乗せるイメージ」の習得へ模索した。

練習の成果を試す神戸の舞台では「流れ自体はそんなに悪くなかったけど、6~7割くらいの出来だった」と苦笑い。今後出場予定の木南記念(5月12日、大阪・ヤンマースタジアム長居)などで、徐々に新しい感覚を記録につなげていく。

秦は、今年1月末に「もっと上のステージを目指したい」とシバタ工業を退社した。ただ、環境の変化を感じることは少なく「気持ちは新たな部分もあるけど、指導者も変わらないし、やってることは変わらない」と言う。

新たな取り組みと、継続した練習で、初の五輪切符を取りに行く。