21年東京オリンピック(五輪)女子1500メートル8位入賞の田中希実(24=ニューバランス)が同種目に出場し、大会新の4分7秒49で4連覇した。

序盤から前方に位置づけ、残り約800メートルで先頭へ。その後も首位を維持し、2位に3秒43差をつけてフィニッシュした。

「この後海外に出て行く上で、地力が上がっていることを確認できた。楽しみな気持ちを持って海外に行けるんじゃないかな」

今大会では、タイムにも、ライバルにも意識を向けず「タイムでは測れない、理想の走り」だけに集中した。

それは、13日の金栗記念からの反省だった。

1500メートルで4分7秒98の日本人最高の2位。一方、800メートルでは2分6秒8で、久保凜(16=東大阪大敬愛高2年)に先着を許した。

「自分の調子が悪いということも手伝って『負けたらどうしよう』と他者の目線やライバルを気にしすぎた」。ただ、今回は「今日はそこの次元ではなくて、そのひとつ上の、自分に勝つ、というところに集中できた」とにっこり。1週間前の「イライラ」は「わくわく」に変わっていた。

今夏のパリ五輪では、1500メートルと5000メートルでの出場を目指している。この後は、4月末にペンリレー(米国)で1500メートル、ダイヤモンドリーグ(ドーハ)で5000メートルに出場予定。

「過去の自分と比べたら、確実に進歩している。爆発的なパワーとなって出てくるところが、オリンピックに合えばいいなと思います」。前向きに、大舞台を目指していく。