世界最高のジムナスト、内村航平を擁する日本が、悲願の団体金メダルに輝いた。6種目の合計270・818点で、78年ストラスブール(フランス)大会以来37年ぶり、五輪を含めると04年アテネ五輪以来の頂点に立った。終盤の平行棒と鉄棒で内村を含めてチームに計3つの落下があったが、前半種目の貯金を生かして逃げ切った。

 日本に金メダルをもたらした立役者は、白井健三(19=日体大)と萱(かや)和磨(18=順大)の大学1年生コンビだった。

 最初の床運動。白井は自身の名のついたひねり系技「シライ/ニュエン」「シライ2」に加え、縦回転が組み込まれた大技「リ・ジョンソン」を難なく成功させた。得点は16・325点。団体決勝出場8カ国の全選手の中で最高点を出して好発進すると、跳馬でも高得点を出した。あん馬に出場した萱もこの種目のチーム最高点である15・400点で貢献した。

 「自分ができることを絶対に決めてやろうという気持ちだった。(種目別床運動で金メダルを取った)2年前より格段に喜びは大きい」と白井。萱は「今までで一番良い出来だった。(金メダルは)うれしすぎて実感がまだない」と初々しく話した。エース内村は「健三、萱、早坂の若い3人が勝因」と後輩をたたえた。(矢内由美子通信員)