女子はGP初出場で16歳の永井優香(東京・駒場学園高)が3位と躍進。村上佳菜子(20)は4位。

 初々しいガッツポーズだった。最後までスピード豊かに演技を終えた永井が、両手を突き上げて白い歯をこぼした。「今できることを精いっぱいできた」。得点が出た時点でメダルが確定。最終的には3位となると「信じられない結果。自分の自信につながった」と声を弾ませた。

 16歳らしい、はつらつとした元気さが1つのテーマのフリー。冒頭のルッツ-トーループの2連続3回転ジャンプを決めると、表情が一気に明るくなった。映画の劇中曲に合わせ、驚きなどさまざまな表情も作る。「審判へのアピールも考えたい」とした狙いを全身でみせる。3回転ループが1回転になるなど失敗もあったが、踏みとどまった。

 4月の国別対抗戦。世界トップ選手が集まった代々木体育館での練習日に、制服姿の永井の姿があった。「トップの選手の滑りを見たくて」。練習と授業の合間を縫って、1人で来場。シニアデビューに向けて熱心に研究していた。9月ごろにはジャンプが不振に陥り「気持ちが折れるぐらい泣いていた」(関コーチ)という。だが、「試合が近づいてきて、やらなきゃなという気持ちになった」と奮い立ち、大会へ間に合わせた。

 浅田真央にあこがれて競技を始めたのは小2の時。中学では中高一貫校に通っていたが、転機は中3の時の全日本ジュニア。ミスが続いて惨敗したことで、競技への意識が変わった。より打ち込める環境を得るために、現在の駒場学園高に移った。それから1年半。その決断は結果に結び付いてきた。

 GPデビュー戦での表彰台は、浅田、安藤、村上らに続く。まだまだ細かな技術まで磨き上がってはいないが、それは伸びしろ。「もっと良い演技ができる」と偉大な先輩たちの背中を追う。

 ◆永井優香(ながい・ゆうか)1998年(平10)11月30日、東京都生まれ。小2で競技を始める。約1年後から関徳武コーチに師事。桐朋女子中では全日本ジュニアで18位、18位、19位。駒場学園高に進んだ昨季から急成長し、ジュニアGPシリーズで2戦連続2位、14年全日本ジュニアでは3位、15年世界ジュニア7位。161センチ。