フィギュアスケートの全日本ジュニア強化合宿が29日、愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで公開され、女子で今季からジュニア部門に上がる14歳の紀平梨花(関大ク)が、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を5度も成功させた。

 トリプルアクセルは、世界スケート連盟公認大会で浅田真央、伊藤みどりら女子では6人しか成功例がない。逆立ち歩きが得意など身体能力の高い紀平は約1年前に習得。今は5本中3本の成功率まで上がっており「自分の武器」と言い切る。この日は単発だけでなく、3回転トーループを付ける連続ジャンプを4度決めた。日本スケート連盟小林強化部長は「すごいの一言。女の子でも跳べるんですね」と手放しでたたえた。

 まだ公式の試合でトリプルアクセルを成功させたことはないが、今季のフリー冒頭に組み込む。余裕があれば連続技にも挑む予定だ。この3回転半-3回転トーループが決まれば女子では世界初。「跳べたら結果もついてくる。(本田)真凜選手に食らいつけるよう頑張りたい」と紀平。年齢制限で18年平昌五輪は出場できないが、天才スケーター紀平が世界を驚かすのも時間の問題だ。【高場泉穂】

<紀平梨花(きひら・りか)アラカルト>

 ▼生まれ 2002年(平14)7月21日、兵庫県西宮市。

 ▼フィギュア歴 教室に通っていた姉の影響で5歳から始める。14年から浜田美栄コーチの指導を受ける。15年全日本ノービス選手権で3回転5種7本を決めて優勝。同年全日本ジュニア選手権11位。

 ▼運動神経 幼稚園時代に体操をやっていた影響で身体能力が高い。特技は逆立ち歩きで「疲れるまでできる」。50メートル走は7秒8。

 ▼趣味 映画、音楽鑑賞。