ラグビーの大学王者帝京大とトップリーグ(TL)王者パナソニックが22日、東京・日野市内の帝京大グラウンドで強化試合を行った。

 帝京大は日本代表にも選出されたSO松田力也(4年)ら主力が、パナソニックもFB藤田慶和(23)、WTB福岡堅樹(24)、SO山沢拓也(22)ら若手の有望株がこぞって出場。日本代表3キャップのWTB北川智規(33)らベテランの有力選手も交ざり、本気モードで公式戦さながらのぶつかり合いを演じた。

 TL3連覇中のパナソニックと、大学選手権7連覇中の帝京大。昨季の日本選手権でも対戦した王者同士の対戦は、雨で気温約20度と肌寒い中、選手を入れ替えながら30分3本勝負で行われた。ボールがぬれて互いにミスが増えた中、帝京大の健闘が光った。はじめの30分は先発組が出場。6分には左10メートルラインアウトからモールで押しこみ、フッカー堀越公介(3年)がトライを奪った。スクラムでも互角以上にやり合い、パナソニックに得点を許さなかった。

 互いにメンバーの入れ替えをした2本目は5-14でパナソニックに譲ったものの、ふたたびスタメン組が出た3本目は0-0。スクラムやボール争奪戦では押し込む場面も見せるなど、最後まで緊張感あふれる好ゲームが続いた。

 司令塔の松田は、同い年で筑波大に所属しつつパナソニックでプレーする山沢とマッチアップ。「(山沢を)気にせずいつもどおりできた」と及第点をつけ、「ターゲットであるTLの基準を体で体感できる。ありがたい」と感謝した。一方の山沢も「ラグビーをよく知っていて判断がいい。単純にすごいと思う」と敬意を表した。来季からはチームメート。山沢は「一緒に頑張りたい」と、ライバルとの切磋琢磨(せっさたくま)を楽しみにした。

 帝京大で昨季の主将を務めたパナソニック1年目のフッカー坂手淳史(23)、同じくFB森谷圭介(22)は3本目で出場した。威力満点のタックルを繰り返した坂手は試合後「僕らの方がミスが多かったことが、どれだけ帝京大の精度が高いかということ。圧力があった。僕らも負けていられない」と、勝利にも後輩たちの成長を実感していた。

 僅差で敗れはしたものの、「シーズン中に(TLに)挑戦できるレベルまでスタンダードが上がってきたいうこと」と帝京大の岩出雅之監督。2019年W杯日本大会での活躍が期待される若手が、貴重な時間を過ごした。