世界9位の錦織圭(28=日清食品)が、いきなりの金星発進だ! 

4大大会歴代最多20度の優勝を誇る同3位のロジャー・フェデラー(スイス)に7-6、6-3でストレート勝ち。「最高の勝利だ。フォアハンドを多く使って積極的に攻めた」。1次リーグ1勝分の賞金20万3000ドル(約2230万円)と、世界ランキングのポイント、200点を上積みした。B組で最強といわれたフェデラーを撃破し、最高の滑り出しを切った。対フェデラーとしては、14年マイアミオープン以来4年ぶりで3度目の勝利。連敗を6で止めた。

お互いにミスが多く、なかなかチャンスを仕留められない。錦織は、第1セット、第1サーブが47%しか入らなかったにもかかわらず、第2サーブでフェデラーのミスを誘った。フェデラーの苦手といわれるバックの高い打点に跳ねさせたり、逆をついて逃げる球を打ったり、焦点を絞らせないことが成功した。

ともにサービスキープでタイブレークに突入。今季、「アンダー・プレッシャー」というツアーが発表するデータで、重圧下で力を発揮する世界1位にランクされている錦織は、フェデラーを圧倒。タイブレークで第1セット奪った。

第2セットの第1ゲームで、自分のサービスゲームを落としたが、すぐに第2ゲームでブレークバック。ここで追いついたのが大きかった。第6ゲームのフェデラーのサービスゲームを破り、そのまま押し切った。

錦織は、10月の上海、パリとともに準々決勝でフェデラーと対戦。連敗し「セットを取れてないので、何かを変えないと行けない」と、大会前に話していた。ともに敗れた2大会は、「今年でもっとも疲れていた」。しかし、今大会は「ちゃんと休養を取って、体もメンタルも備えるようにしてきた」と準備万端を強調していた。