アイスホッケーの名門で今季限りの廃部が決まっていたアジア・リーグの西武の親会社プリンスホテルは31日、チーム全体の引受先企業探しを断念したと発表した。チームは解散し、今後は選手個別に移籍先などを探すことになった。

 チームの小山内幹雄オーナー代行は同日、東京都内で記者会見し、昨年12月の廃部発表以降、東京都内や北海道などの20数社と交渉したが、1試合当たりの平均入場者数が約1000人と少ないことが原因で「(交渉を)断念することが多かった」と述べた。社員12人、契約13人の計25選手は、7月までは現在と同じ待遇で会社に残れるという。

 西武の解散で、アジア・リーグからは東京を本拠地とするチームがなくなった。本拠地のDyDoアリーナは現在のまま存続するという。

 西武は堤義明元オーナーが72年に創部した国土計画が前身。日本リーグを13度、アジア・リーグを2度、全日本選手権は11度制し、日本アイスホッケー界の中心的存在だった。4月11日からリトアニアで行われる男子の世界選手権ディビジョン1(2部に相当)でも日本代表に9選手が選ばれている。