国際オリンピック委員会(IOC)は15日までに、公式ホームページのメダリスト紹介で、国籍を日本としている1936年ベルリン五輪男子マラソンの金メダリスト、故孫基禎選手の記述を変更し、冒頭から「ソン・キジョン」と韓国語の発音に基づくローマ字表記を用いる形にした。日本の植民地支配を受けていた朝鮮半島出身であることを強調する説明も追加した。

 韓国オリンピック委員会(KOC)は以前から、孫選手の名前を日本名表記の「ソン・キテイ」から変更を求めていた。IOCは「五輪の歴史の変更は避ける」として当時の公式表記は変えず、説明文で「ソン・キジョン」と明記した。また、当時の朝鮮の新聞がユニホームの胸の日の丸を消した孫選手の写真を掲載し、この新聞の関係者が投獄されたことなど、朝鮮社会が日本に抵抗した歴史も紹介している。

 IOCは「当時の複雑な歴史を知り、より詳細な背景を付け加えた」と説明。韓国メディアは「半分だけ要求が通った」と伝えている。