2020年東京五輪・パラリンピックの準備、運営をつかさどる大会組織委員会が24日発足し、東京都庁で開かれた記者会見で、会長に就任した森喜朗元首相が「ぎりぎりの可能性に挑戦していくことがスポーツの神髄」とビッグイベントの魅力とそれを開催することへの意欲を熱く語った。

 淡い水色のネクタイを締めた森会長は冒頭、多数のカメラのフラッシュを浴びながら軽くせき払いし「大きな責任を考えると身の引き締まる思い」とあいさつ。事務総長に就任した元財務事務次官の武藤敏郎氏は終始落ち着いた口調で「全身全霊を傾けて、成功に導きたい」と決意を述べた。

 森会長は「まだ6年ではなく、もう6年しかない」と真剣な顔つきで訴える一方、不安視される高齢について自ら切り出し「夏には喜寿(77歳)になる。大丈夫かと新聞に書かれたが、自分自身でも分かりません」と冗談も口にした。

 対照的に、開催都市のトップである都知事不在のまま立ち上がった組織委での都の影の薄さを象徴するように、一番端に座った秋山俊行副知事に一つも質問がなかった。

 野球とソフトボールの実施競技への復帰について、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「ここで言及するのは難しいが、可能性は秘めている」と話し、森会長も「復活してくれればという願いは持っている」と語った。