長野・菅平高原のホテルで9月の世界選手権(トルコ・イスタンブール)に向けて合宿中だったレスリング男子日本代表の強化合宿で26日、盗撮騒動が起きた。報道陣に紛れ込んだ自称フリーターの男(32)が選手らの風呂場を盗撮。110番通報で駆けつけた長野県警上田署員が、軽犯罪法違反容疑で取り調べた。体力強化に挑んでいた男子代表は最後の厳しい練習を終えたばかりだっただけに、憤りを隠せなかった。

 関係者によると午後9時3分ごろ、風呂から上がった選手が、脱衣所で30分以上にわたり歯磨きをしていた男の挙動不審な態度に違和感を覚えて周囲を探索。げた箱の上に置かれていたかばんの中から機械音が聞こえるなどしたため、コーチに伝えた。警視庁所属のコーチが男性を問い詰めたところ、盗撮行為を認めたという。かばんの中にはシャンプー容器に偽装されたビデオカメラも見つかり、選手らが遠巻きに写っている風呂場の映像が映されていた。

 福岡出身の男の所属する会社名は「スタジオ23」で、会報紙に掲載するとして取材申請。初めてレスリング取材に訪れ、午後の練習も取材していた。男子の佐藤満強化委員長(49)は思わぬ事態に「こっちは命を懸けて練習しているんだ。水を差された」と憤った。