<ラグビー:トップリーグ・サントリー42-19サニックス>◇第8節◇27日◇福岡市・レベルファイブスタジアム

 サントリーWTB小野沢宏時(34)が、福岡サニックス戦の後半34分にトライを決めて、トップリーグ初の通算100トライを達成した。チームは勝って8戦全勝、勝ち点を39に伸ばして首位を守った。勝ち点35で神戸製鋼、同30で東芝、同28でヤマハ発動機と続く。パナソニックWTB山田章仁(27)は近鉄戦でノートライに終わり、開幕からの連続トライは7試合で止まった。リーグはこれで一時中断、12月1日に再開する。

 ポールの間を全速力で走り抜け、記念のトライを決めると、照れ屋が珍しく楕円(だえん)球をたたきつけた。サントリーのWTB小野沢は「100トライ目が見たい」と福岡を訪れた2人の息子の前で、史上初の快挙を達成した。子どもが手作りした“金メダル”を手渡され「家族から半端ないプレッシャーをかけられていた。これで解放される」と破顔一笑した。

 28-7と圧倒した前半に、トライを奪えなかった。「勝利が大事と言い聞かせたが、正直焦った」という。だが、チームがリズムを崩しかけた後半、34分にトライゲッターとして仕事をこなし、開幕8連勝に貢献した。

 トップリーグが始まった03年の開幕戦で4トライして以来、絡まれても抜け出す独特の「うなぎステップ」を武器に、数字を積み重ねてきた。34歳で迎えた今季も既に9トライ。今後の目標を問われると、「1つ1つやっていきたい」といつもの穏やかさで気持ちを新たにした。

 ◆小野沢宏時

 おのざわ・ひろとき。1978年(昭53)3月29日、静岡・島田市生まれ。静岡聖光学院高-中大、00年サントリー入り。09-10、10-11年トライ王。03、07、11年W杯出場、代表キャップ74(歴代2位)51トライ。相手を柔軟にかわす突破は「うなぎステップ」と呼ばれる。WTBやFBでプレー。180センチ、85キロ。