<柔道:全日本学生体重別選手権>◇最終日◇29日◇日本武道館◇男女各3階級

 男子100キロ級で日大2年のレイズ・カヨル(19)が初優勝した。カナダ国籍で世界ジュニア(10月23日~・スロベニア)カナダ代表も決まっているレイズは、高橋良介(明大4年)との決勝戦に指導3で勝利。日本で育った日本柔道界の「脅威」が、7年後の東京五輪を目指して飛び出した。

 「初めての優勝、日本一なので、うれしいです」。レイズは端正なマスクを崩して言った。フィリピン出身の父とカナダ出身の母の間にトロントで生まれ、2歳の時に来日。高崎・群馬中央中の部活で柔道を始めて、前橋育英高時代から注目された。「今、1番の目標は世界ジュニアで優勝すること。五輪も、もちろん考えています」。昨年7月のカナダ選手権で圧勝、今年も「全試合1分以内に決めて」連覇を果たした。

 日大の金野監督は「今年もカナダから世界選手権代表にという話は来たが、まだ早い。しっかり鍛えてから世界に出したい」と将来性に期待する。日本代表の井上監督も「タレント性もあるし、出てくると思っていた。日本にとって脅威になる」と話した。「五輪を本気で考えたのは昨年くらいから。来年は世界選手権に出たい」。日本育ちの日本の脅威が、初めての日本一を弾みに世界を狙う。