【デトロイト(米国)17日=阿部健吾】史上初の「GP完全制覇」に挑戦-。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦スケートアメリカは18日(日本時間19日)に開幕する。今季限りの引退を表明している浅田真央(23=中京大)は06年以来7年ぶりの参戦。優勝すれば、現在開催されるGPシリーズ全7大会を初めて制する選手になる。

 ラストシーズンに、快挙を達成する好機になる。95年から始まった前身のチャンピオンシリーズから含め、全大会で頂点に立った選手はいない。通算勝利数で最多17勝のスルツカヤ(ロシア)も届かなかった記録になる。

 そのための準備も万全だ。直前入りだった昨季の海外遠征とは調整法を変え、早めの14日にデトロイトに到着。佐藤コーチは「いつもギリギリなので、初のこと。どういう結果になるか、私自身も見てみたい」とし、時差調整を十分に行った上での試合に期待を寄せる。この日も近郊のリンクで調整し、会場での公式練習には不参加。独自の調整に手応えがあるようだ。

 今季初戦だった5日のジャパンオープンでは、フリーで自己ベストを上回る演技をみせた。好調さを維持して迎えるGPシリーズ22戦目。通算12勝目を挙げ、フィギュア界にとって大きな金字塔を打ち立てる。