20年東京五輪・パラリンピック開催に招致委員会メンバーとして貢献したパラリンピアンの佐藤真海(31=サントリー)が、14年ソチ・パラリンピックの聖火リレーに参加することになった。開幕する来年3月7日の数日前に現地で行われるリレーで、五輪も含めても日本人では異例の招待になる。

 国際パラリンピック委員会(IPC)から招致委員会に、「20年枠」として1人の参加を依頼する連絡が入ったのは9月下旬。日本障害者スポーツ協会(JPC)も含めた話し合いで、白羽の矢が立った。

 佐藤は9月上旬にブエノスアイレスで開かれた20年大会開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会で、最終プレゼンターとして登壇した。早大時代に骨肉腫で右ひざ下を切断しながら、走り幅跳び選手として競技に取り組むことで救われた体験などから「スポーツの力」を訴えた。そのスピーチが大きな反響を呼び、一躍時の人に。国内の障害者スポーツの環境改善運動にも積極的で、JPCが「日本の顔」として人選した。

 国外開催大会で、日本人の夏季競技の選手が冬季大会の聖火リレーを務めることもまれなことになる。7年後に向けてパラリンピックへの関心が高まるなか、ロシアで走る佐藤の姿も、その一助となりそうだ。

 ◆国外で開催された五輪・パラリンピックの聖火リレーに参加した日本人

 12年ロンドン五輪では、東日本大震災の被災地代表として仙台市のホテルマン三品貞治さんが英国内でのリレーに参加。ソチ五輪でもウラジオストクなどで日本人が参加する予定がある。