<高校ラグビー:秋田中央39-24若狭東>◇1回戦◇28日◇花園

 秋田中央は、サッカーと“二刀流”のフランカー吉田光佑(3年)が24得点し、08年以来6年ぶりの1勝を挙げた。

 ラグビーとサッカーの“二刀流”で鍛えた吉田が、秋田中央を6年ぶりの勝利に導いた。最初の見せ場は前半5分。モールの背後に忍び寄ると「空いていたら行こうと思った」と左サイドのスペースへ走った。狙い通りに相手を置き去りにしてトライ成功。昨年バックスから転向した170センチの右フランカーは「2つの立場になって、先を考えながらプレーしている」と視野の広さを見せつけた。

 中学時代に磨いた右足も輝きを放った。先制トライ直後のキックを確実に決めると、前半終了間際には左中間約30メートルのPKを成功させた。天王中ではラグビー部がなく、サッカー部に所属。卒業後に秋田中央ラグビー部で花園に出ることを目標に、ポジションは自らGKを志願した。「先輩に『ラグビーでも必ず役に立つ』と言われて始めた。ゴールキックやパントキックを練習してきた経験が生きている」と胸を張った。

 後半開始直後に利き足のスパイクのかかと部分が剥がれるアクシデントも、テーピングの応急処置だけで乗り切った。終わってみれば3トライ4ゴールで、チーム39点のうち24点をたたき出した。初の大舞台での活躍にも「緊張もあって試合内容はダメだった。でも、勝ったから次がある」と満足する様子はない。30日の佐賀工との2回戦でも、勝利へのゴールを重ねていくつもりだ。【鹿野雄太】

 ◆吉田光佑(よしだ・こうすけ)1996年(平8)8月15日、秋田・潟上市生まれ。小4から天王ラグビースポーツ少年団でラグビーを始める。天王中ではサッカー部に所属。ポジションはGK。飯田川ラグビースクールにも通う。家族は両親と兄。170センチ、74キロ。