田臥勇太以来、10年ぶり日本人2人目のNBA入りが見えた!

 男子バスケットボール日本代表候補の富樫勇樹(20)が20日、成田空港着の航空機で米国から一時帰国した。マーベリックスの一員としてネバダ州ラスベガスでのサマーリーグに出場。167センチと小柄ながら持ち前のスピードで、2メートルを超える選手たちを翻弄(ほんろう)する場面をつくった。アピールに成功し、NBA入りへの第1関門は突破した。

 晴れやかな笑顔が、確かな手応えを物語っていた。NBA入りの第1関門でもあるサマーリーグで、マーベリックスの富樫は計4試合、36分50秒間の出場で16得点1アシスト。「少しプレッシャーもあったが、力を出すことができてうれしい」と上々の感触だ。

 ハイライトは16日のホーネッツ戦。出場した10分51秒間に、2本の3点シュートを含む12得点をマークした。「米国では15歳くらいに思われる」という167センチの20歳が、2メートル級のDFを華麗にかわす。関係者によると観客席からは自然と「トガ」コールが巻き起こったという。目の肥えた本場の観客の視線をくぎ付けにした。

 バスケットボールを始めた6歳のときから最高峰のNBAを夢見た。高校時代は米国留学し、本場のレベルの高さを体感。身長は160センチ台でストップしたが、ハンディは並外れたスピードでカバーしてきた。サマーリーグでの活躍に、マーベリックスのカナレス・ヘッドコーチからは「プレーできることは分かった。自信を持て」と合格点を与えられた。

 今月下旬からは日本代表の合宿に合流。フィジカル面の課題などを克服しながら、最終段階となる10月からの開幕前キャンプ参加のオファーを待つ。NBA入りとなれば、04年の田臥勇太以来10年ぶり。無限の可能性を秘める若者は「田臥さんに次ぐ、日本人2人目のNBAプレーヤーになるよう努力したい」と前だけを見据えた。【田口潤】

 ◆富樫勇樹(とがし・ゆうき)1993年(平5)7月30日、新潟県新発田市生まれ。小1でミニバスケットをはじめ、父が監督を務める本丸中では3年時に全国中学校大会で優勝。高校は米国のモントロス・クリスチャン校へ留学し、本場のバスケットを学ぶ。11年には日本代表候補に選出。12年にbjリーグの秋田入団。同年新人賞。13年は最多アシスト賞獲得。家族は両親、姉、妹。167センチ、67キロ。

 ◆富樫の今後予定

 今月28日からは日本代表の合宿に参加。8月のジョーンズカップ(台湾)9月のアジア大会(韓国)の代表メンバー入りを目指す。一方で10月からのNBA開幕前キャンプのオファーを待つ。開幕前キャンプでプレシーズンマッチをこなし、自分のプレーをアピールして開幕最終登録メンバー12人入りを狙う。