日本代表ロックとして15年W杯に出場した神戸製鋼OBの伊藤鐘史氏(38=京産大コーチ)も、古巣の優勝に感無量の様子だった。

元木氏と同様に現地で観戦することはできなかったが「すごくうれしいことです」と喜んだ。リコーを経て、09年に神戸製鋼に移籍。引退するまで9シーズンの在籍で「チームのトップが5度変わった」。09年度の平尾GM兼総監督から始まり、10年度には苑田ヘッドコーチ(HC)、14年度にギャリー・ゴールドHC、15年度にアリスター・クッツェーHC、16年度にはジム・マッケイHCと移り変わった。

伊藤氏は「ギャリー・ゴールドは親分肌で神戸に合っていたが、1年で去ってしまった。ディフェンスとキックチェースに特化して、自分たちの強みを出そうとした時期でもありました。アリスター・クッツェーはウイニングカルチャー(勝者の文化)を植え付けてくれようとしたが、彼も1年で去ってしまった」と明かした。

なかなか強化方針が持続しない中でも「(選手は)昔の栄光を求めていた」という。さらに「毎試合が必死でした。それは間違いなく、強かった昔も(低迷期の)当時も、そして今も変わってはいない。勝てない時期でも、勝たなければいけない空気は持続していた。その辺は、常勝軍団というものがチームに浸透していて、負けると常に重い空気になっていた」と振り返った。

復活優勝を遂げた古巣には「今を一生懸命に頑張って、その積み重ねが歴史になる。今後も、それを持続して欲しい」と期待を寄せた。