<水泳世界選手権:競泳>◇26日◇イタリア・ローマ

 6個の世界新記録が誕生した26日の競泳初日、日本勢は8種目すべてで決勝進出を逃した。ポリウレタンやラバー素材を使用した欧州製の新型高速水着を着用した海外選手が大幅に記録を伸ばす中、予想以上の苦戦。「水着で完全に負けている」と、平井伯昌ヘッドコーチは早くも情報戦の敗北を認めた。

 メダル候補だった男子100メートル平泳ぎの立石と末永も、そろって準決勝で敗退した。2人とも下半身だけを覆うデサント社のロングスパッツ型水着を着用して準決勝1組目に臨んだが、残る6人は上半身まで覆われたフルボディー型の水着を着用。浮力が増すといわれる全面ラバーのイタリア・ジャケド社製の水着を着用する選手が多かった。

 「これまで外国人にスタートで前にいかれたことはなかったのに…。後半もやたら強い」と立石。平井コーチは「北京五輪で(北島)康介が下半身だけの水着で勝ったので、平泳ぎはそういうものと思われていたが、ほかの国はみんな上半身付き。情報収集が遅かった」と嘆いた。国際水連は来年からラバーやポリウレタン製の水着を禁止するが、今大会は認められている。