親方衆らによる評議員会が6日、東京・両国国技館で行われ、高田川親方(43=元関脇安芸乃島)は、終了後に顔を紅潮させながら言った。「そんな(八百長をしている)やつらは、すぐにやめてほしい。早く腹を切って欲しい」。事の重大さを表すように、評議員たちは全員が厳しい表情。貴乃花親方(元横綱貴乃花)が「ノーコメントで」と繰り返すなど親方たちは言葉少なだったが、高田川親方は足を止め怒りをぶちまけた。「命懸けてやってきた人間から考えれば信じられない」。

 春場所中止が決まり、それ以降も不透明。今日7日に「目標の見えない稽古」が始まる。相撲界は、年6回の本場所を目指して2カ月単位で鍛えるのがサイクル。それが、初めて崩れる。芝田山親方(元横綱大乃国)は「力士には、これからも真面目に稽古するように話す」と言い、藤島親方(元大関武双山)も「身近に目標はある方がいいが、稽古はもともとしんどいもの」と言った。ただ、目標がなくなった中で通常の稽古を続けるのは精神的にも楽ではない。気持ちが緩めば、普段の生活に影響する可能性もある。

 高田川親方は「力士は泣きながら稽古している。彼らのことを考えると、かわいそうで涙が出る」と言った。部屋に5本ものてっぽう柱を立て、1日1000発のてっぽうを課す。自らが激しい稽古で史上最多の金星16個を獲得しただけに「苦しんで自分をいじめ抜いたやつだけが強くなる」が信条。それだけに、八百長問題には怒りがわき上がる。「これから(相撲界に)入る人もいるんだから、一刻も早く清廉潔白な相撲界になってほしい」と厳しい表情を変えないまま話していた。