<大相撲秋場所>◇14日◇東京・両国国技館

 奇策が効いた。東前頭1枚目豊真将(30=錣山)が仕切り線より下がって立ち合い、日馬富士をわなにはめた。「気持ちいいですね。想像より良かったです」。過去の対戦成績は、2勝8敗で6連敗中だった。「単調に、毎回同じような相撲を取るのを変えたかった。支度部屋で考えていた」と打ち明けた。相手にとっては痛恨の1敗。「しょうがない。勝負の世界ですから」と、ためらわずに言った。

 観客による敢闘精神評価は、初日に続いて2度目の1位。4日目を終え、横綱に敗れたものの、3大関を総なめにした。好調の要因は「前に出てるって、ことじゃないですかね」と話す。今日5日目は、大関昇進を狙う琴奨菊戦。「この流れのまま、思い切りいきたいと思います」。まだ三役経験はないが、今場所は特に、上位陣にとってのくせ者になってきた。