<東京6大学野球・新人戦:慶大4-1法大>◇2日目◇2日◇神宮

 09年のドラフト上位候補、慶大・白村明弘投手(1年=慶応)が神宮初登板で自己最速153キロをマークする圧巻デビューを飾った。法大戦の9回から登板し、高校時代の149キロを4キロ更新して3者凡退に抑えた。4-1で勝利し、本家リーグ戦とのアベック優勝にマジック1とした。

 153キロの表示に一番驚いていたのは白村自身だった。9回1死、8番平野への4球目、ファウルになったボール。「普段は出たと思っても140キロ後半だし、自分でもびっくりです」と目を見開いた。さらに150キロ、149キロと続けて投ゴロに打ち取ると、最後は152キロで力ない遊飛に切った。

 09年はドラフト上位候補として、慶応からドラフト制後初の直接プロ入りを視野に入れていた。開幕ベンチ入りを目標にしたが、今春31人の高知キャンプメンバーから外れた。「途中からでも合流できるように、焦って投げ込んだ」と肩を痛めた。投球練習再開したのは5月中ごろ。リーグ戦には間に合わなかった。

 あえてキャンプメンバーから外して発奮させた江藤省三監督(68)は「素材は一流。秋は楽しみ」と期待する。慶大優勝のパレードは清掃員として参加した。「車の後ろでずっとごみ拾いでした。うれしかったけど屈辱」と言う。負けん気の強さも大きな魅力だ。