最近の日本ハムは先制される試合が非常に多いが、2番手の玉井以下が無失点でつないだリリーフ陣の踏ん張りは評価できる。

連投となった西村は、スライダーに加え、フォークボールも高さを間違えない。9回は先頭打者の吉田正に二塁打は許したが、ロメロ、モヤ、小田を3連続三振に仕留めた。いつもいつも3者凡退で抑えるのは無理なこと。長打が出ると試合が終わってしまう終盤戦で、ピンチでも低めに集めることができた投球は、ベンチの信頼も上がったのではないだろうか。

現在の勝ちパターンの継投は、秋吉、宮西、石川直だが、もう1枚、三振を奪える投手がいると、厚みが増す。西村はいま、そこにもっとも近い存在になっている。日本ハムはリリーフ陣が「命綱」と言っていい。痛い敗戦にはなったが、リリーフが崩れなかったことは、優勝争いをしていくうえで明るい材料となる。

「打線は水物」だが、徐々に安打も出てきて、復調の気配も感じられる。安定感のある救援陣は健在で、投打がかみ合えば、再びチーム状態は上がっていくだろう。（日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ）