13日の広島戦が雨天中止となり、日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏(67)と桧山進次郎氏(51)がセ・リーグ5球団との対戦が一回りした阪神の現状を分析した。首位快走の原動力や今後の課題に触れつつ、リーグVへの展望を解説した。

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タイガースは昨年と今年とでは、正反対の開幕発進になりました。昨季は5球団との対戦一回りを終えて4勝10敗(雨天中止1試合)の借金6で最下位。今季は11勝4敗の貯金7で首位。開幕ダッシュの成否が分かりやすく成績に出ています。

ライバルの巨人は主力の新外国人が1軍合流できておらず、コロナ禍もあって戦力が整っていません。一方の阪神はけが人もなく、ほぼベスト。今のうちに勝てるだけ勝って、貯金を量産することが大事です。他球団に追いかけるのはキツイなと早めに思わせ、優位に立つことです。阪神は昨季の開幕ダッシュ失敗で、追いかけるしんどさも味わった苦い経験も生かしたい。コロナ禍の戦力ダウンもいつ降りかかるとも限りません。

阪神に対抗するチームは、巨人以上に中日が怖いと感じます。大野雄を筆頭に若い先発陣がそろい、中継ぎ、抑えも充実しています。そして阪神と同じくほぼベストメンバーで投打充実の広島。9回打ち切りは投手力が強いチームに有利です。もちろんDeNAも、ソトやオースティンが合流し、巻き返してくる可能性がある怖いチームです。

他球団の戦力が整ってくると、今のように簡単には勝てません。一方で阪神はロハスやアルカンタラの合流は戦力アップの半面、既にメンバーが固まっている中で誰を2軍に落として、どう回していくかが逆に課題になってきます。とにかく大事なのは、勝てる時に勝てるだけ勝っておく先行逃げ切り。今季は16年ぶり優勝の大大チャンスです。(日刊スポーツ評論家)