阪神はDeNAに3連敗を喫した後、ヤクルトに1勝1敗1分け。最大8ゲーム差だった巨人に2ゲーム差まで詰められた。

山田 巨人の足音が聞こえるではなく、べったりと背中につかれた感じだね。気になるのは全体的に打力が下降していることだ。近本だけが当たっていて、マルテ、サンズの両外国人を含めて調子を落としている。新人の佐藤輝明、中野も「プロの壁」にぶつかっている。相手チームに研究を尽くされ、そこに疲れもあるのだろう。

ヤクルト奥川に対した第1打席の佐藤輝は、1-2から高めのボール球に空振り三振だった。第2打席は初球のインハイにきた真っすぐがファウルで、2-1から沈む球に二ゴロ。最終打席はインハイの初球に空振りし、2-2からのストレートに左飛だった。

山田 どのチームもストライクゾーンに投げてくれなくなった。佐藤輝に高めの球の残像があるから、強引に打ちにいくとスッと落とされる。その繰り返しで、ピッチャーからすると今の佐藤輝は打ちとりやすい。本人に四球を選ぶつもりはさらさらないみたいだし、首脳陣も三振はやむを得ないとしてるようだが、チームが下降してくると、それが目立ってしまう。

これで佐藤輝の今シーズンの三振数は103個に上った。

山田 「インハイ」「低めに落ちる球」のどちらかを捨てることだろう。両方を打ちにいくから、同じ結果になる。どちらかを捨てることができれば優位なカウントにもっていける。ピッチャーだってストライクを投げざるを得なくなるし、佐藤輝も対応しやすくなるはずだ。プロの勝負はここからだと言ってあげたいね。それと奥川はフォームにばらつきがなく成長している。もっと速くなるはずだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対ヤクルト 2回裏阪神無死、三振に倒れる佐藤輝(撮影・上田博志)
阪神対ヤクルト 2回裏阪神無死、三振に倒れる佐藤輝(撮影・上田博志)