日本ハムは5回に一挙4点を奪われ、試合をひっくり返された。ところが、すぐ裏の攻撃で1点を取り、6、7回も1点ずつ返し、巨人に詰め寄った。最後は9回に2点を追加され、逃げ切られたが、点を取りたい場面でしっかり取れているチーム力は、開幕当初のころにはなかったものだ。特に5回は石井の二塁打から、田宮の一塁ゴロで三塁に進塁し、上川畑の三塁ゴロで1点。新庄監督が目指しているノーヒットでも点を奪う野球が形になってきた。

神宮でのヤクルト3連戦の経験も大きい。1、2戦目にサヨナラ負けを喫し、3戦目は1、2戦目とは逆に終盤に追い付き、延長で勝ち越した。勝つことの難しさを知ると同時に諦めなければやれるんだという自信も感じたはずだ。

この日の5回の攻撃のようにノーヒットで点を取る意識が身につきつつあり、さらにここでしっかり守らないとやられるといった勝負勘みたいなものも芽生えてきた。それが1人、2人ではなく全員が感じているところが開幕当初にはなかった点だ。交流戦に入って選手の成長を感じている。(日刊スポーツ評論家)