阪神と3位争いをする広島にとって、なんとも痛い同一カードの3連敗になった。負けた内容を見ても自滅で、踏ん張りどころで踏ん張り切れなかったという試合で、悔やまれる試合になった。
勝負を決めたのは6回裏の「守り」だった。1死から代打・陽川の当たりはレフトへの浅いフライだった。左翼手の西川が猛ダッシュで前進したが、わずかに届かずに後逸。二塁打になった。
仕方ないともとれるが、二塁打になった内容に悔いが残る。打球はフライで、スライディングキャッチだったら、捕れた確率が上がっていただろう。仮にスライディングキャッチをしないのであれば、絶対に後逸してはいけない打球だった。記録は二塁打だが、どのような体勢で捕球するかの判断が間違っていた。
その後は菊池涼に代わってセカンドに入った上本がなんでもないゴロをファンブル。一、三塁からも併殺に打ち取れたセカンドゴロを二塁へ悪送球。重い1点が入ってしまった。
上本の連続エラーは解説のしようのない単純なミス。しかしコロナから復帰した菊池涼の代わりにセカンドに入った直後のミスであり、試合途中から雨が降り、グラウンド状況が悪化していた。
こういう状況で守る内野手は、最初に転がった打球は嫌なもの。どんな弾み方、転がり方をするイメージがわかず、プレーが硬くなってしまう。イージーミスがつながったのも、やってはいけないミスを引きずってしまったのだろう。
菊池涼を途中交代させたのも、雰囲気を悪くさせた。コロナの後遺症がどのぐらいかは分からないが、前日の試合からスタメン復帰している。ただでさえ、守りの要であり、チームの中心選手。
中継ぎ投手のいい阪神を相手に3点のビハインドは苦しいが、まだ中盤の6回で、追加点を与えなければチャンスはある。3位争いをしている阪神を相手に連敗中だし、どういう経緯で交代したかは分からないが、試合が決まるまでは出場してほしかった。
一方の阪神はいい形で連勝を伸ばした。2日からは4位・巨人との3連戦。ここで勝ち越せばCS出場にグッと有利になる。白熱した試合を期待している。(日刊スポーツ評論家)