阪神の巨人との最終戦は逆転負けだった。同カードは2年連続勝ち越しを決めているが、後味の悪さが残る一戦になった。

中西 阪神も、巨人も戦力的にヤクルトに引けをとらないのに、最後まで優勝争いに絡めなかったのは寂しかったね。阪神は6回に巨人の1発攻勢にあったが、同点から中田、ポランコの2本だけで負けたようなもの。中盤に入ってからの西勇の失投は痛かった。打線も巨人戸郷が普通の出来だったのに攻めきれなかった。

同点の6回1死から、西勇が4番中田にストレートを中越えソロで勝ち越され、2死から6番ポランコにチェンジアップを右越えソロを浴びて引き離された。

中西 中田、ポランコの2人には完璧にとらえられたね。西勇は序盤から両サイドにうまく投げ分けていると思っていたが、あそこは気持ち良くフルスイングされた。特に中田には1ストライクからのストレートがシュート回転して甘く入った。阪神は7回表の攻撃で、無死一、二塁の場面に梅野がバントを失敗して三封されたのが響いた。続く代打マルテが巨人バッテリーの配球ミスから左前適時打を放ったから悔やまれた。

敗戦の中の見せ場は2回2死、6番佐藤輝が戸郷の1-1からのフォークをとらえた右越え本塁打だ。

中西 戸郷にすれば膝元に落としたかったのだろうが、佐藤輝が甘くなったところを打った。残り試合は佐藤輝を4番に戻すべきだと思う。そもそも、なぜ4番から外しているのかがわからない。ヤクルト村上のようにスケールの大きな打者に育ってほしい。阪神の将来を考えても、4番に据えて責任を背負わせながら育てるべきではないのだろうか。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 6回裏巨人2死、ポランコ(左)に右越え本塁打を浴びる西勇(撮影・前田充)
巨人対阪神 6回裏巨人2死、ポランコ(左)に右越え本塁打を浴びる西勇(撮影・前田充)
巨人対阪神 2回表阪神2死、先制ソロ本塁打を放つ佐藤輝(撮影・狩俣裕三)
巨人対阪神 2回表阪神2死、先制ソロ本塁打を放つ佐藤輝(撮影・狩俣裕三)
巨人対阪神 2回表阪神2死、先制ソロ本塁打を放った佐藤輝(手前)にメダルをかける矢野監督(撮影・狩俣裕三)
巨人対阪神 2回表阪神2死、先制ソロ本塁打を放った佐藤輝(手前)にメダルをかける矢野監督(撮影・狩俣裕三)