勝負のアヤは甲子園の夕暮れどきにあった。2回に青柳の適時二塁打でひっくり返し、なおも2死二塁。近本の凡フライはDeNAの遊撃京田と左翼関根が譲り合う形でポトリと落ちた(記録は二塁打)。現役時代に“牛若丸”と称された吉田は、聖地の特徴を知り尽くしている。
吉田 特に甲子園の薄暮は難しいんです。昔、名三塁手の三宅(秀史)が投手との間に上がった、なんでもない飛球でまさかの落球をして、大事な巨人戦に敗れたことがあった。多少のレフトへの追い風も不規則に吹くわけで、いつも注意が必要なんです。関根は完全に打球を見失っていたし、あれは京田が捕らないといけません。自らが打った直後に入ったあの3点目が青柳を勇気づけた。逆に阪神はその前の2回表に良い連係で好守をみせました。
無死から戸柱が中前打で出塁後、林の左翼線への安打を処理したノイジーが、素早い三塁送球で一塁走者の林を刺した。
吉田 ノイジーが刺したというより、佐藤輝が難しい送球をうまくさばいて捕球し、タッチもうまかった、そういうプレーです。主審の判定が厳しく、両投手ともうまく立ち上がれなかった。青柳は守備で救われた。DeNA今永はわざわざ木浪を申告敬遠した後で、2点で収まっていたかもしれなかったところを4点を失うわけだからダメージは大きかった。
約1カ月ぶりのDeNA戦。前回の両チームが対戦した際は、首位が阪神でDeNAは3位。今回は逆に阪神が追いかける構図での直接対決になった。
吉田 まだまだ順位を気にするような時期にないし、混戦模様だ。岡田はペナントレースの戦い方を知っているし、今は大きくチームを束ねようとしている。日に日に選手との信頼関係も深まっていくのが見てとれる。これからですわ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】




