阪神の連勝は7で止まった。阪神85年の日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時には投手コーチを務めた中西清起氏(60)が試合をチェック。初回に5点を失うなど、5回7失点と打ち込まれた青柳晃洋投手(29)の投球を厳しく分析した。【聞き手=松井清員】

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今年の青柳は開幕からずっと苦しんでいる。勝てない一番の要因は全体的にボールが高いことだ。ツーシーム、シンカー系の球でゴロを打たせるのが最大の特長で、低めに制球できた時ほどよく動いて打者の打ち損じを誘える。でもこの球種はゾーンが高いとほとんど動かないので打ちごろの球になり、痛打を浴びている。初回に松山に浴びた先制タイムリーなど5失点はその傾向が顕著。ノイジーと佐藤輝のソロでさあ行くぞというところで、5回に失った2点も同じだった。

相手がスタメンに全員左を並べてきたプレッシャーや、広島戦は通算1勝で3年間勝てていない苦手意識があったかも知れない。だが前回ようやく2勝目を挙げたDeNA戦もそうだったが、4試合連続で初回に失点している。よーいドンでビハインドを背負うのは展開的に苦しく、士気にも影響する。ましてや開幕投手を任された大黒柱には似合わない姿で、ベンチも「青柳、しっかりしてくれよ!」という思いだろう。

昨年までの4年間、先発でフル回転してきた疲れが出ているように思う。軸の右足の踏ん張りが足りなかったり、思うように体がついてきていないように映る。でもここ数年の好調時になかった高い球などの悪癖がはっきり出ているのだから、フォーム的なものも含めて原因を突き詰める必要がある。我慢の起用を続けてきた岡田監督も2軍で再調整させる方針のようだが、ベストの選択だと思う。もう1度自分の持ち味を見直し、存分に発揮するための充電期間にしてほしい。

青柳の7失点が響いて連勝は止まったが、0-5から打線が挽回して一度は7-7まで持ち込んだ。中軸3人が本塁打を放つなど、強さを感じる負けだった。