DeNAは「やるべきことをやる」という原点に戻るべきだ。ミスが多過ぎた。まず、阪神と対照的だったのはエンドランだ。3回1死一塁、2番梶原は低めのカットボールを空振りし、一塁走者の桑原が二塁で憤死した。梶原には、何としても当てようという姿勢が見られなかった。逆に阪神は4回無死一塁、4番大山が走った。佐藤輝が空振り三振したが、二塁はセーフ。左投手の東からスタートを切るのは難しく、桑原よりは足も遅い。それでも二塁を陥れた。進塁が効いて、先制点を挙げた。

DeNAは4失策だ。守備全体に硬さがある。捕手山本は悪送球が2つ。どちらも二塁カバーの野手と連係がとれていなかった。8回は阪神森下の三塁内野安打から始まったが、三塁宮崎がイチかバチかで前に出ないとアウトにできない打球だった。前に出ない時点で、セーフになってしまう。「攻める守備」ができなかった。守備固めで出たはずの右翼蝦名は、動きがぎこちない。中継プレーで悪送球したことが5点目につながった。ノイジーの打球へのダイビングはともかく、中継まで投げることは難しいプレーではない。

両軍先発投手の東と村上は、ともに制球力が抜群で素晴らしい出来だった。結果的にDeNAの継投は裏目に出たが、夏場なので東の104球での交代は仕方ない。伊勢も守備に足を引っ張られたが、調子自体は悪くなかった。村上は、失投が牧への1球だけだった。逆転されても打線がすぐにカバー。首位にいるだけあって、流れの良さが出た。

これでDeNAは首位阪神に7ゲーム差となった。今、必要なのは基本に立ち返ること。エンドランは絶対に当てる、守備は集中力を切らさない。優勝を狙うなら、もう後がない。必死さが必要だ。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対阪神 2回表阪神無死、大山の打球を処理した後、悪送球をする宮崎(撮影・狩俣裕三)
DeNA対阪神 2回表阪神無死、大山の打球を処理した後、悪送球をする宮崎(撮影・狩俣裕三)