現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(56)が試合をチェック。阪神は先発の伊原陵人投手(24)らが打たれて6失点し、連勝が4でストップしましたが、ビハインドでも攻撃陣の集中力に目を見張るものがあると指摘。広島も不気味な攻撃の圧を感じながらの勝利だったのではと分析しました。【聞き手=松井清員】
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伊原は初回先頭に四球を与え、バントを二塁に悪送球したことでリズムを崩してしまいましたね。先発が3週間ぶりだった感覚の問題もあるでしょう。真っすぐにもキレがなく、得意だった広島につかまりました。1年間投げていれば、こういう日もあります。チームとしても、すぐリセットできる黒星だと思います。
負けても首位阪神の強さを感じたのは、攻撃陣の集中力です。1回裏、佐藤輝の適時二塁打ですぐ1点を返しました。この1本で広島は改めて怖さを感じたと思います。3回は森下の犠飛で1点差に迫り、追加点を奪われた4回も、熊谷の適時打ですぐ1点を取り返しました。広島は最終的に逃げ切りましたが、不気味な圧を感じたまま、ゲームセットを迎えたのではないでしょうか。それほど今の阪神は最後まで何が起こるか分からない、逆転しそうな雰囲気を持っています。
いろいろな選手を試したことにも層の厚さを感じました。石井を休ませて、復帰登板したドリスが1回を無失点。栄枝に先発マスクをかぶらせ、中川も左翼で起用。木浪も1軍に上げつつ、遊撃で使った熊谷も結果を出しました。刺激を受けた選手は多いと思います。特にレギュラーが決まっていない遊撃と左翼、安定感抜群の中継ぎの競争が激しさを増し、さらに相乗効果が生まれそうです。
早々に出た優勝マジックは1日で消えてしまいましたが、選手たちにとっては、ワクワクしかないと思います。過去の年とは違い、追いかけてくるライバルの脅威を感じない1強状態。自力のあるチーム、乗ったら怖いチームも見当たらない。再点灯させたあとも、さあいくぞと楽しいマジック減らしになりそうです。
1日から夏の長期ロードに出ますが、注意するのはケガだけでしょう。主力に故障者が出ているチームが多い中、阪神だけほぼゼロです。体調管理をしっかりして酷暑の1カ月を乗り切ってほしいと思います。(日刊スポーツ評論家)




