走攻守どの部門を見ても、他球団に負けているところがなかった。その中で、特筆すべきポイントとして、挙げたいのが走塁だ。

リーグトップの盗塁数に目がいきがちだが、評価したいのは、ひとつ先の塁を狙う姿勢だ。打者走者がシングルヒットの当たりで二塁を狙う、あるいは一塁から三塁へ。一気に本塁に生還する場面もあった。積極的な走塁というのが、非常に目立った。近本、中野といった足の速い選手だけでなく、森下、佐藤輝、大山という主軸が率先してやっていた。

そういう意識が、1点を取りにいく原動力になる。数字に表れない部分だが、得点力の向上につながった。独走状態になっても、気の抜けたところは見られなかった。2年前に優勝し、昨年は惜しくも2位。勝ちに飢え、そして勝てるチームになった。

野手ではやはり佐藤輝の成長が大きい。バットを振り回す姿が減り、場面に応じた打撃を心がけ、タイミングよくバットを振っていた。投手は村上の安定感が光ったし、先発陣の層の厚さは他球団にはない。2位以下の追い上げを許さなかったのは、それだけ投手力が良かったということだ。(日刊スポーツ評論家)

生還する二走・佐藤輝明(2025年6月27日撮影)
生還する二走・佐藤輝明(2025年6月27日撮影)