日本ハムが23年春に開業予定のボールパーク「Fビレッジ」と、新球場「エスコンフィールド北海道」。完成までを追う連載「Go for HOKKAIDOBALLPARK2023」11回目の今回は、球団の田中賢介スペシャルアドバイザー(SA=39)のコラム「野球考」とコラボしました。同SAが新施設の魅力や期待を記します。

日本ハム田中賢介スペシャルアドバイザー
日本ハム田中賢介スペシャルアドバイザー

■技術が必要

ボールパークの完成は私も楽しみです。何度か建設現場に足を運びましたが、着々と出来上がってきていますよね。新千歳空港からの帰り道は、高速道路を使わずに、現場に寄って様子を見たりしています。

球場が移転すれば、ファイターズの野球も変わります。広い人工芝球場の札幌ドームから、天然芝の球場へ。特徴が違いますから、戦い方は様変わりするはずです。選手には、足の負担が少なく、体にやさしいのが最大のメリット。ただし天然芝はボールのイレギュラーもあり、プレーは難しくなります。これまで以上に神経を使うでしょうし、技術が求められるでしょう。

ボールパーク「Fビレッジ」の建設現場(10月12日撮影)
ボールパーク「Fビレッジ」の建設現場(10月12日撮影)

北海道のみなさんは、ほとんどが札幌ドームでの野球観戦の経験しかないのではないかと思います。スタンドが低く、グラウンドと近く、打球音や息遣いが聞こえる。そんな雰囲気を楽しんでもらえたら、きっと大きな感動体験になるはずです。

■楽しめる“テーマパーク”に

「飽きない球場」になってほしいですよね。子どもが遊べるところは絶対に必要。3時間もじっと見てなどいられませんから。それぞれが、いろいろな楽しみ方ができるといいと思います。

ボールパーク「Fビレッジ」のイメージ図(球団提供)
ボールパーク「Fビレッジ」のイメージ図(球団提供)

球場の周囲も大切です。大人の方が、米国のハッピーアワーのように、試合前からみんなでお酒を飲んだりできる場所があるといいですよね。野球観戦で盛り上がるのは、タイミングのひとつに過ぎない。全世代が、朝から晩まで1日中楽しめるボールパーク。「とりあえず行こう」と思ってもらえる“テーマパーク”になってくれるのが理想です。

「中心部からの距離が遠くなる」という声も聞かれますが、札幌からでもディズニーランドには多くの方が遊びに行きますよね。そう考えればけっして遠いとは思いません。TDLにも負けないくらい、魅力のあるものになってほしい。世界中から人が集まってくるような球場になることを期待しています。


<日本ハム担当の山崎記者の「純さんぽ」>

ボールパーク建設地周辺を日本ハム担当の山崎記者が歩く「純さんぽ」。今回は、洋食の人気店にお邪魔しました。

10月に入って肌寒くなり、すっかり秋めいてきた北広島。市役所周辺を歩いていると、洋食屋の看板をみつけた。「キッチンハウス ポテト」。店内はカウンター、テーブルすべてにアクリル板が設置され、入り口には消毒液と、新型コロナ感染対策がされている。

スタッフの渋谷歩さん(42)におすすめメニューを尋ね、オムライスを注文。とろとろの卵に、しっかりとトマトの味が染み込んだケチャップライス。どこか懐かしさを感じた。

北広島市内にあるキッチンハウス・ポテトで人気のオムライス(撮影・山崎純一)
北広島市内にあるキッチンハウス・ポテトで人気のオムライス(撮影・山崎純一)

野菜中心の小鉢が付いた日替わり定食や、ボークチャップなど豊富なランチメニューをそろえ、市内周辺をまわる営業マンたちにも人気を集めているという。「(ボールパーク開業で)今後にぎわったらいいなと思っています。楽しみです」。夜はお酒も飲むことができる当店。数年後には、勝利の美酒を味わうファンであふれているだろう。【山崎純一】