野球選手のウエートトレーニングとは…? みなさんは、どんなメニューを想像するだろうか。ベンチプレス、スクワット、腹筋…。いわゆる体幹を鍛えるとは…? 

 楽天1軍2次キャンプ地の沖縄・金武町。球場から徒歩10分ほどの距離にトレーニング施設がある。そこでは、選手も一般客に交じってトレーニングを行う。私も一般客に交じって、選手たちの練習を見つめた。野手と投手で全くメニューが違う。単純に重たいダンベルを持つのではなく、軽いもので何度も腕に負荷を掛ける野手。ロープで足をつるし、バランス力を鍛える投手陣。開幕ローテを争う16年ドラフト2位の池田が、突然面白いことを言った。

 池田 投手は脇を鍛えると、球速が速くなるんですよ。

 一瞬、ポカンとした表情になったことは、言うまでもない。脇を鍛えるとは…? 池田は、おもりのついたゴムチューブのようなものを上下左右に引いている。がむしゃらに引くのではなく「幅」を変えながら汗を流す。「脇回りを鍛えないと、例えば、肘や肩に無駄な負担が掛かってしまうんですよ」と説明してくれた。

 言われても、よく分からない。やってみた。全くおもりが、動かない。投手は1キロでも速く、今以上の変化球のキレを。野手は少しでもパワーを。たゆまぬ努力が、そこにはあった。【楽天担当 栗田尚樹】