阪神大山悠輔が巨人菅野から価値ある1発を放った。2点リードの3回、1号2ランを右翼席に運んだ。その裏にあったものは…。

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 愚直に練習に打ち込み、準備を怠らない姿勢が結果を生んでいる。この日も午前中に室内練習場で約1時間に渡るティー打撃を行い、シーズン開幕への最終調整を行った。練習量を増やすだけでなく、質の向上にも取り組む。

 オープン戦終盤の早出練習では片岡コーチ自らが打撃投手を務めるシーンも見られた。「マウンドから見た方が(状態が)わかるからね。本来の『間』が取れてないのでうまく修正してほしい」。そんな片岡コーチの期待にも一発回答だった。さらに金本監督が「今日から開きを抑えて、コンパクトに打っている姿があったので、ちょっと期待していた。今までやっていない練習を片岡コーチにやらせていた。それが功を奏したんじゃないかと思います」と説明するように、助言をくれるコーチへの恩返し弾だった。

 この日は、試合を終えた選手たちが笑顔で球場を引き上げていく中、なかなか大山の姿が見当たらない。少し遅れて登場したのは試合後のベンチで、道具の手入れをしていたからだった。「また明日も試合があるので、しっかりやります」。開幕戦白星をつかんだ喜びの試合後も、次戦への準備は怠らない。【阪神担当 真柴健】