阪神がG倒で開幕白星発進した。難敵の巨人菅野を攻略した勝利。プレーボールの約3時間前にチームは出陣式を行っていた。

 一気に結束力が高まる出陣式だった。午後2時45分から、都内のホテルで行われた大切な儀式。金本監督が開幕オーダーを通達し、選手やスタッフがハイタッチする。その後、キャプテン福留がげきを飛ばし、ムードは最高潮に高まった。

 試合前練習中、一塁側ベンチでおもむろに紙袋を取り出したのは揚塩球団社長だ。開幕を前にして、東京スカイツリーが見える亀戸香取神社で必勝祈願してきたという。「スポーツ選手も、よく訪れているところです。私ができるのは、こういうことくらいですから」。スポーツ振興の神に健闘を祈願。目じりを下げて「勝守」を握っていた。

 指揮官の攻撃的采配も実り、伝統の一戦で快勝。試合後の喜びもひとしおだ。ある球団スタッフは実感を込めて、こう言う。「3年間で、一番強いハイタッチでした」。一丸になって戦う。頂点を狙いに行く機運は、かつてないほど強い。そんな空気感が今年はある。【阪神担当 酒井俊作】