鳥谷はなぜ縦じまユニホームで結果を出し続けられたのか。本人に素朴な疑問をぶつけると、「自分ではよく分からないけど」と苦笑いしながら、1つのポイントを口にした。

「後々考えれば良かったなと思うのは、周りの評価とかを気にしない性格だったことかな。自分に関する報道とかニュースが気にならない。周りにどう見られているとか、そういうことを深く考え込まないタイプだから。自分がブレてしまうほど、情報を入れてこなかった気がする」

阪神は誰もが認める球界屈指の人気球団。それ故、報道陣の数、報道されるニュース量も圧倒的に多くなる。時には辛辣(しんらつ)にもなる報道の1つ1つに流されることなく、目の前の準備だけに専念し続けてきたという。

「自分はいいときも悪いときも、ずっと使い続けてもらってきた。毎日ダメだったところを解決していかないといけない、と必死でやってきた。だから、あまり重圧とかを考える暇がなかったのかもしれないけどね。今も、タイガースがプレッシャーの多い球団かどうかは分からない。他のチームに入ったことがないから、よく分からないんだよね」

そう笑い飛ばした鳥谷。ブレないスタイルを貫ける性格が、虎戦士として大きな武器となった。【阪神担当=佐井陽介】