<パCSファイナルステージ:西武4-15ソフトバンク>◇第3戦◇19日◇メットライフドーム

確かに、西武もソフトバンクも打線は強力だ。CSファイナル3試合で両軍の総得点は51点(ホークス30点、西武21点)となった。2勝2敗の五分に戻した工藤ソフトバンクから言えば、打ち勝って、打ち負けて、そして打ち勝った3試合であった。派手な打ち合いに目を引かれがちだが、裏を返せば、やはり野球は「投手」ということだろう。

「今日は、早め早めの継投でいきますよ」。試合前、若田部投手コーチはそう話していた。千賀の好投で不安視された「早期継投策」は使わずに済んだ。先発投手が踏ん張れば、試合は「形」になる。西武はこの3試合、先発陣が踏ん張り切れていない。この流れでいけば、五分に追いついたホークスが有利になったとも言えるのではないだろうか。言わずもがなだが、今日20日の第4戦が今CSファイナルの勝負を左右する一戦となる。先発予定の東浜が中4日でマウンドに上がる。千賀に続きたいところだ。

王手をかけることができれば、第5戦はサブマリン高橋礼あたりが先発し、千賀も投入する「総力戦」の構えだ。この日の大勝で中継ぎの武田、石川に加え、嘉弥真、加治屋、森らの「勝利の方程式」が温存できた。残り3試合。ブルペンもフル稼働で残り2勝をもぎ取る算段だ。

「五分になったといってもまだまだ。相手は引き分けでもいいし、明日勝って本当の五分じゃろ。とにかく明日の試合が鍵を握るよ」。達川ヘッドコーチはさらに気を引き締めた。最後は「投手力」…。攻めの気持ちでレオ打線を封じ込む。【ソフトバンク担当 佐竹英治】