ロッテと台湾プロ野球ラミゴの親善試合取材のため、8日に台湾入りした。台湾に来るのは10年ぶり。個人的に、欧州各国や韓国に比べるとどうも食事が合わなかった記憶がある。

初日の夜、火鍋。おいしい。2日目の朝、ホテルのバイキング。昼、市街地の食堂。…早くも飽きてきた。街中に漂う八角の香りに日本が恋しくなる。よし、そごうに行こう。

桃園市には百貨店のそごうがある。3日目の昼、宿舎から歩いて向かった。途中、ロッテの某バッテリーとすれ違った。手にはスターバックスコーヒーのカップ。さらに歩くと、またロッテ関係者に会った。ミスタードーナツの紙袋を持っている。「そごう帰りですか?」「もちろんです」

そごう地下1階はフードコート。丸亀製麺、らあめん花月嵐、ミスタードーナツにマクドナルドと、日本でおなじみの店舗が並ぶのだ。

ロッテの台湾宿舎は毎回同じで、今回が3度目の利用。朝晩1日2食がバイキング形式で提供される。最初の滞在時は完全に台湾の味で、食べられない人が続出したそうだ。例えば井上晴哉内野手(29)は台湾飯と好相性だが、田村龍弘捕手(24)は「食べるもんがない」というほど苦手。そこで2度目以降は和食に寄せた味付けにしてもらい、選手がしっかり栄養をとれるように改善してきた。

それでもなお、慣れ親しんだ味に会いたくなった時の駆け込み寺が「そごう」なのだ。この日はらあめん花月嵐に入った。11月末からウインターリーグで再び台湾を訪れる安田尚憲内野手(19)も、台中にそごうがあると聞いてひと安心。一方で「(U23で訪れた)コロンビア、意外とご飯いけたんですよね。ホテルが良かったのもあるかもしれないですけど。外のステーキ屋もおいしいらしいですよ」と言っていたので、どこにでも順応できるタイプなのかもしれない。

気付きもある。鳥越裕介ヘッドコーチ(47)は宿舎で出た白菜料理についてこう話した。「最初は味がしないと思った。でも素材の良さを生かすってこういうことなんかなとも思った。日本が調味料かけ過ぎなんよな」。

食べたものが体をつくる。スポーツ選手でなくても、食事に対して振り返る良い機会になった、久々の台湾だった。【ロッテ担当 鎌田良美】